マカに含まれるビタミンについて詳しく知る
マカなどのサプリメントを利用したことのあるかたは、日本だけでも5千万人以上いるといわれています。
そのなかでも特に人気なのがマルチビタミンなどのビタミン剤。
でも実は、マカにもビタミンがたっぷり入っているというのはご存じですか?そこでこの記事では、マカに含まれているビタミンの効果について見ていきたいと思います。
1.ビタミンとは
体の潤滑油とも言われるビタミン。
人間の体の生理機能を正常に働かせるためには欠かせない栄養素です。
ビタミン(vitamins)は、ラテン語で生命を表す「vita」と、窒素を含むアミン化合物という意味の「amine」が語源です。
現在確認されているビタミンは13種類。
ビタミンは体内でほとんど合成できないため、食事からの摂取が必要な栄養素です。
しかし外食中心のかたは慢性的なビタミン不足になりやすく、食生活の改善やマカなどのサプリメントからビタミンを摂取することが必要です。
ビタミンには「薬理作用」があり、適切に摂取することで薬と同じような効果が期待できます。
薬理作用を期待するかたは、場合によっては厚生労働省によって定められた基準量よりも多く摂る必要があります。(もちろん過剰摂取は避ける)
例えばビタミンCは、厚生労働省の一日の推奨量は100mgとなっていますが、その10倍の1000mg以上摂ることで免疫力を高めたり、肌のハリを保ったりと、さまざまな効果が期待できるということが知られています。
2.ビタミンの分類
ビタミンには以下の二つに分類されます。
- ・水溶性ビタミン
- ・脂溶性ビタミン
水溶性ビタミン(全9種類) | ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸)、C |
脂溶性ビタミン(全4種類) | ビタミンA、D、E、K |
水溶性ビタミンは尿などから体外へ排出されやすい性質を持ちます。
一方、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすい性質があります。
効率的なビタミン摂取のためには、水溶性ビタミンは一日に数回に分けて摂ること、脂溶性ビタミンは油と一緒に摂ることが大切です。
水溶性のビタミンは体外へ排出されてしまうため過剰症のリスクが少ないですが、基本的には摂取目安量は守りましょう。
3.マカはビタミン類が豊富
マカには以下のような七種類のビタミンが入っています。
- ・ビタミンB1
- ・ビタミンB2
- ・ビタミンB6
- ・ビタミンB12
- ・ビタミンC
- ・ビタミンE
- ・ナイアシン
これらマカに含まれるビタミンについて、詳しく見ていきます。
3-1.ビタミンB群
マカに含まれるビタミンB群(B1、B2、B6、B12)。
ビタミンB群が不足すると口内炎が出やすくなります。
アルコールを分解する酵素を助ける働きを持つことから、普段からお酒を飲むかたは積極的に摂りたいビタミンです。
お酒のツマミになる枝豆やピーナッツにはビタミンB群が豊富に含まれています。
ちなみにビタミンB群に限ってB1やB2などとさまざまな種類があるのは、発見された当時はすべて同じビタミンBだと考えられていたからです。
その後の研究で徐々に違うものだと分かり、それぞれ「ビタミンB」のあとに数字が割り振られたというわけです。
3-1-1.ビタミンB1
- ・糖質をエネルギーに変える
- ・脳神経を正常に働かせる
- ・皮膚や粘膜の健康を維持する
初めて発見されたビタミン。
ビタミンB1には硫黄の成分も含まれていることから、チアミン(硫黄を含むアミンという意味)とも呼ばれています。
不足すると以下のような症状があらわれます。
- ・脚気(かっけ。手足のしびれや神経の麻痺を起こす)
- ・神経痛
- ・疲れやすくなる
体内には、糖質をエネルギー源のブドウ糖に変換する酵素が存在していますが、その酵素の働きを助けるのがビタミンB1。
ビタミンB1が不足し糖質がエネルギーに変換されなくなると、疲れやすくなったり、体がだるくなったりします。
さらに神経細胞の栄養源であるブドウ糖も充分に補給されなくなります。
その結果、かつては日本の国民病とも言われた脚気や、神経痛を引き起こしてしまうのです。
ビタミンB1は日頃の食事やマカによる過剰摂取の心配はまずありませんので安心です。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
B1(mg) | 1.05 | 1.17 |
3-1-2.ビタミンB2
- ・口内炎の予防
- ・エネルギー代謝のサポート
ビタミンB2は摂りすぎても徐々に尿から排泄されてしまいますので、過剰症の心配はありません。
栄養ドリンクを飲んだ後に尿が黄色くなることがありますが、これはビタミンB2を摂りすぎた分が排出されているのです。
またビタミンB2は糖質や脂質、タンパク質をエネルギーに変える働きを助けます。
スポーツをやっていたりバリバリ働いていたりと、活動的な人ほどビタミンB2の消費量が多くなりますので積極的な摂取が必要です。
ビタミンB2が欠乏し続けると、
- ・口内炎
- ・舌炎
- ・視力の低下
- ・白内障
などの症状が引き起こされます。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
B2(mg) | 1.15 | 0.31 |
3-1-3.ビタミンB6
- ・アミノ酸(タンパク質)をエネルギーに変える
- ・月経前症候群(PMS)の緩和
ビタミンB6はアミノ酸(たんぱく質)がエネルギーに変換される際に必要になります。
近年、食生活の欧米化により日本人のタンパク質摂取量が増えています。
摂りすぎたタンパク質はアミノ酸に分解されますが、必要量以上のアミノ酸は体に蓄積されることはありません。
摂りすぎた分のアミノ酸は分解され、ビタミンB6の力でエネルギーとして利用されるようになるのです。
よってタンパク質の摂取量が多い人ほど、積極的にビタミンB6を摂ることが必要です。
ビタミンB6は腸内細菌によっても作られるため、日常的に不足することはあまりありません。
しかし抗生物質や抗結核薬(ビタミンの代謝を阻害する)などの服用により、
- ・貧血
- ・口内炎
- ・倦怠感
- ・知性障害(脳波の異常)
- ・代謝異常
などの欠乏症が起こることがあります。
妊娠中やピルを服用している女性も、女性ホルモン(エストロゲン)の代謝に必要なビタミンB6の積極的な摂取が必要になります。
生理前に憂鬱になる人は、ビタミンB6が不足しているという報告も。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
B6(mg) | 1.1 | 5.91 |
3-1-4.ビタミンB12
- ・貧血の予防
- ・物忘れの予防
- ・不眠の緩和
ビタミンB12が欠乏すると、巨赤芽球貧血という悪性の貧血が起こります。
これはDNAの合成が阻害されることにより起こる貧血で、昔は治療が困難だと言われていました。
巨大な赤血球が作られたり、赤血球が減少したりする症状が起こります。
また、アメリカのコロラド大学の研究では、物忘れが多い39人の被験者たちにビタミンB12を摂取させたところ、全員の記憶力が改善されたという報告もあります。
特に物忘れが気になる中高年のかたにはおすすめのビタミンです。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
B12(μg) | 2.0 | 0.052 |
※ビタミンB12だけはマカの含有量が少なめです。
ビタミンB12は青魚やイカ、海苔、あさりなどの貝類、レバーなどに豊富に含まれていますので、これらの食品を日常的に食べているかたは、欠乏症の心配はありません。
3-2.ビタミンC
- ・老化を防ぐ(抗酸化作用)
- ・免疫力を上げる
- ・カルシウムや鉄分の吸収率を上げる
- ・肌のハリを保つ
- ・メラニン色素の生成を防ぐ
アスコルビン酸とも呼ばれるビタミンC。
女性のかたには、シミやソバカスの原因となるメラニン色素の発生を抑えたり、タンパク質などとともにコラーゲンの材料になったりする効果がよく知られています。
推奨量は成人男女ともに100mg。
耐用上限量は定められていません。
成人の一日あたりの最大薬用量(効果を期待して摂る量)は2000mgとなっています。
欠乏すると以下のような症状が出ます。
- ・壊血病(コラーゲン不足により、全身の皮膚や血管から出血したり、関節が痛む)
- ・メラー・バーロー病(骨の発育が悪くなり、骨折しやすくなる。人工栄養の乳児に発症しやすい)
ビタミンCが不足すると体内でコラーゲンが生成されなくなります。
コラーゲンは肌のハリだけでなく、皮膚や血管の柔軟性を保つためにも大切な物質です。
現代の一般的な食事では壊血病などの欠乏症が出ることはほとんどありませんが、以下のような生活習慣をお持ちのかたは積極的にビタミンCを摂りましょう。
- ・シミやソバカスなどが気になる
- ・ストレスが多い
- ・激しい運動をする
- ・タバコを吸う
- ・飲酒量が多い
ちなみに暑さや寒さ、睡眠不足などもストレスになります。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
C(mg) | 85 | 2050 |
ビタミンCの摂取はマカだけで十分ですが、さらなる薬理作用を期待するなら、サプリメントを追加することもできます。
しかしサプリメントを摂る際には注意点があります。
ビタミンCの過剰摂取による害はないと言われていますが、まれにサプリメントによる過剰摂取で吐き気などの症状が出る場合があります。
また、腎臓に障害があるかたは腎結石になる可能性が高まりますので、ビタミンCのサプリメントの摂取には十分注意しましょう。
3-3.ビタミンE
- ・抗酸化作用(老化や生活習慣病を予防する)
- ・血行の促進
- ・シミ(老人斑)を防ぐ
- ・ホルモンバランスを整える
マカに含まれるビタミンのなかでは、唯一の脂溶性ビタミンです。
ビタミンEには、体内の過酸化脂質(酸化された脂質。老化の原因)の発生を抑える働きがあります。
そうするとリポフスチン(老化色素)が肌に溜まりにくくなり、シミを防ぐことも可能に。
不足すると細胞膜の脂質が酸化され、損傷を受けてしまいます。
その結果、以下のような症状が見られることがあります。
- ・神経過敏
- ・感覚障害
- ・貧血
- ・不眠
- ・生殖不能
未熟児にビタミンEが不足すると、赤血球が壊れ貧血を引き起こすことがあります。
ビタミンEは摂取量が増えると吸収率が下がるので過剰症による害は少ないと言われていますが、まれに肝機能障害を起こすことがあります。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
E(mg) | 6.25 | 150 |
※マカを一日あたり3gほど摂取しても、ビタミンEの摂取量は4.5mg程度です。
一日の耐用上限量は男性が800mg、女性が650mgなので、過剰症の心配はありません。
3-4.ナイアシン
- ・中性脂肪を下げる
- ・コレステロールを下げる
- ・皮膚や粘膜の健康維持
水溶性ビタミンのナイアシン。
必須アミノ酸のトリプトファンからも生成されるビタミンです。
ナイアシンにはタンパク質や糖質、脂質をエネルギーに変換する酵素を助ける働きがあります。
不足すると以下の症状が起こる可能性があります。
- ・消化不良
- ・食欲不振
- ・下痢
- ・皮膚炎
- ・ペラグラ
- ・痴ほう
「ペラグラ」とは日焼けによる色素沈着が起こりやすくなったり、下痢やおう吐、痙攣(けいれん)などが起こったりする症状です。
昔はトリプトファンの含有量が少ないトウモロコシを主食としていた地域でペラグラが発症していました。
現代の食生活ではナイアシンが不足することはほとんどありません。
サプリメントなどで過剰摂取すると、
- ・下痢
- ・消化不良
- ・肝障害
などの症状が起こる可能性があります。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
ナイアシン(mgNE) | 11 | 43 |
※一日の耐用上限量が男性300mgNE、女性が250mgNEなので、普段の食事やマカなどで過剰症になる心配はありません。
4.マルチビタミンよりもマカが良い理由
ビタミンを自然食品ではないマルチビタミンで摂取するデメリットとして、以下のものが挙げられます。
- ・過剰摂取の危険性
- ・合成ビタミンは吸収効率が悪い
やはり毎日摂るものは、マカなどの自然食品で摂ることがおすすめです。
しかもマカには、マルチビタミンには無いさまざまな効果が期待できるのです。
- ・精力増強
- ・疲労回復
- ・妊娠しやすくなる
- ・熟睡できる
- ・免疫力が強くなる
- ・ストレスに強くなる
- ・集中力が高まる
マルチビタミンに、このような効果は期待できません。
90年代に日本に紹介されたマカですが、今だに幅広い年齢層から人気があります。
ビタミン剤では得ることのできないさまざまな効果がマカに期待されているというのが、その人気の理由でしょう。
5.妊活におすすめ!マカと葉酸の飲み合わせ
マカと葉酸を組み合わせることで、効果的に妊娠を目指すことができます。
5-1.葉酸について
- ・赤血球の細胞が作られるのを助ける
- ・ビタミンB12と協力して血液を作る
- ・胎児の神経管閉鎖障害を防ぐ
水溶性ビタミンの葉酸。
体内に蓄積する量は少なく、毎日継続的に摂取することが必要です。
ビタミンB群の仲間で、不足すると貧血を起こします。
過剰摂取による被害はほとんど報告されていません。(サプリメントなどで大量に摂取すると、じんましんや発熱、神経障害などが起こることがある)
厚生労働省の発表では、妊娠前や妊娠初期に葉酸を摂取することで、胎児の「神経管閉鎖障害」を予防できることが分かっています。
神経管閉鎖障害の代表例としては以下の症状が挙げられます。
- ・二分脊椎(背骨の形成が上手くいかず、背骨の中にあるはずの脊椎が外に出てしまったりする症状)
- ・無脳症(大脳が欠損して無い状態か、縮小している)
ホルモンバランスを整え妊娠しやすくなる効果が期待されているマカと、胎児の健康を守る葉酸を飲み合わせることで、効果的に妊娠の準備をすることができるのです。
5-2.葉酸が含まれる食品
植物性の食品に多く含まれています。
食品 | 100gあたりの含有量(μg) |
---|---|
焼きのり | 1900 |
鶏レバー | 1300 |
抹茶 | 1200 |
豚レバー | 810 |
乾燥わかめ | 440 |
うに | 360 |
大豆(乾燥) | 260 |
えだまめ | 260 |
干ししいたけ | 240 |
パセリ | 220 |
アスパラガス | 180 |
卵黄 | 140 |
※一日の推奨量は成人男女ともに240μg。耐用上限量は900μg。
妊娠の可能性がある女性は+400μgの摂取が望ましい。
葉酸は過剰摂取に注意すれば、サプリメントでも摂ることができます。
妊活中のかたは、ぜひマカと一緒に摂ってみてください。
6.まとめ
マカには七種類のビタミンが含まれています。
ビタミンの種類 | 一日の必要量(男女平均) | マカ100gあたりの含有量 |
---|---|---|
B1(mg) | 1.05 | 1.17 |
B2(mg) | 1.15 | 0.31 |
B6(mg) | 1.1 | 5.91 |
B12(μg) | 2.0 | 0.052 |
C(mg) | 85 | 2050 |
E | 6.25 | 150 |
ナイアシン(mgNE) | 11 | 43 |
参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015版)
ビタミンは体の生理機能を調節するために欠かせない栄養素です。
日頃からマカなどの食品で不足しないように気をつけましょう。
また妊活中のかたは、マカと葉酸を一緒に摂る方法もおすすめできます。
ただしビタミンをサプリメントから摂る場合は、
- ・合成ビタミンは吸収率が低い
- ・過剰摂取の危険性がある
ということに注意する必要があります。
やはりマカなどの自然食品からビタミンを摂るのがおすすめですね。
あなたもぜひマカでビタミンを摂って、体調の良い毎日を送りましょう。