マカに含まれる9種類の非必須アミノ酸。その効果について
マカに含まれる非必須アミノ酸には、あなたの体にとって嬉しい作用があります。
免疫力を高めたり、睡眠の質を高めたり、美肌になったり…。
「最近、なぜか調子が悪い」というかたは、非必須アミノ酸が不足しているかもしれません。
ぜひこの機会に非必須アミノ酸について知り、マカへの理解を深めてみましょう。
1.非必須アミノ酸とは
非必須アミノ酸とは、体内で合成されるアミノ酸のことをいいます。
とはいえ、時としてその合成量が不足することがあります。
非必須アミノ酸は体内で重要な役割を果たしているので、栄養学上は「非必須」という呼び名がついていても、普段から積極的に摂取する必要があるのです。
2.マカに含まれる非必須アミノ酸
マカには11種類ある非必須アミノ酸のうち、以下の9種類が含まれています。
- ・アルギニン
- ・チロシン
- ・アラニン
- ・グリシン
- ・プロリン
- ・グルタミン酸
- ・アスパラギン酸
- ・セリン
- ・シスチン
2-1.アルギニン
- ・血管機能の正常化
- ・免疫力の向上
- ・食欲抑制
- ・性機能の改善
- ・成長ホルモンの分泌に関わる
アルギニンはマメ科の植物「ルピナス」から初めて検出されました。
一般的にアルギニンは非必須アミノ酸に分類されていますが、小児の時期に限っては合成量が足りないために必須アミノ酸となります。
また余分なアンモニアを体外へ排出する働きをもち、就寝前の空腹時に摂ると効果的と言われています。
アルギニンには血管を拡げる作用を持つ「一酸化窒素」を発生させる作用もありますので、動脈硬化の予防にも効果を発揮してくれます。
2-2.チロシン
- ・ドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンの原料
- ・甲状腺ホルモンの原料
- ・メラニンの材料
語源は食品の「チーズ」ですが、味はありません。
必須アミノ酸のフェニルアラニンから作られます。
「やる気物質」とも言われるドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンの原料になります。
また甲状腺ホルモン(新陳代謝を促進する)の原料になることでも知られています。
チロシンは非必須アミノ酸ながら体外から摂取することにより、必須アミノ酸のフェニルアラニンの節約にもなります。
2-3.アラニン
- ・エネルギー源
- ・肝機能を助ける
- ・免疫力の向上
アミノ酸のなかでも特にエネルギー源に利用されやすいアラニン。
糖を代謝する際に重要な働きをすることが知られています。
アラニンには肌の水分を保持する作用もありますので、化粧品に配合されることもあります。
2-4.グリシン
- ・神経伝達物質
- ・睡眠の質を高める
- ・血中のコレステロールを下げる
- ・コラーゲンの材料
- ・赤血球の材料
グリシンはアミノ酸のなかでも最も構造がシンプルで、太古の生物が生まれる前から存在していると言われています。
味わうと甘みがあり、発見当初は「ゼラチン糖」と呼ばれていました。
コラーゲン成分の33%を占め、非必須アミノ酸のセリンや、必須アミノ酸のスレオニンから作られます。
またグリシンには睡眠の質を向上させる作用もあり、さまざまなメーカーからグリシンを配合したサプリメントなどが販売されています。
2-5.プロリン
- ・コラーゲンの合成
- ・角質層の保湿作用
- ・脂肪の燃焼
プロリンはグルタミン酸から作られます。
コラーゲンの材料で、強いコラーゲンの合成に役立つ成分です。
また体内のエネルギー源としても利用されやすく、脂肪の燃焼を促進する作用もあります。
2-6.グルタミン酸
- ・興奮性神経伝達物質
- ・疲労回復
- ・アンモニアのコントロール
- ・アルコール依存症を抑える
- ・GABAの材料
- ・血圧を下げる作用
- ・EDの改善
- ・認知症などの治療
グルタミン酸は小麦グルテンから発見され、「うまみ成分」としても知られています。
トマトや納豆などに多く含まれている成分です。
血圧を下げる作用もあり、グルタミン酸を摂ることで「脳卒中による死亡率が6%低下した」というデータもあります。
さらに神経伝達物質(興奮性)として脳の機能を活性化する作用も持ちますから、記憶力の向上をはじめ、認知症への予防効果も期待されています。
2-7.アスパラギン酸
- ・疲労回復
- ・利尿作用
- ・アラニンの原料
- ・肝機能のサポート
- ・神経伝達物質
- ・老廃物の処理
アスパラガスに多く含まれ、「アスパラギン酸」の名前の由来ともなっています。
人工甘味料のアスパルテームの原料でもあります。
アスパラギン酸にはカリウムやマグネシウムの吸収率を高める働きがあります。
疲労物質と言われる乳酸を取り除く働きもあるので、栄養ドリンクなどに配合されることもあります。
2-8.セリン
- ・記憶力の向上
- ・保湿効果
- ・脳細胞の活性化
非必須アミノ酸のグリシンやグルタミンなどから作られます。
タンパク質分解酵素など、多くの酵素の重要な部分に存在しています。
肌を保湿する効果もあるので、乳液などにも配合されることもあります。
セリンは記憶力を向上させる「ホスファチジルセリン」の材料にもなりますので、脳のサプリメントとしても効果的です。
2-9.シスチン
- ・メラニンの生成を抑える
- ・活性酸素の除去
- ・タウリンの成分
- ・傷を治りやすくする
- ・補酵素CoAの成分
人間の髪の毛(シスチンは14~18%)や羊毛などに多く含まれています。
髪の毛が燃えると臭うのは、含硫アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸)のシスチンのしわざです。
抗酸化作用(体の酸化を防いで動脈硬化などを予防する)を持つタウリンの材料です。
またエネルギーをつくるのに大切な補酵素である「CoA」の成分でもあります。
さらにシスチンには黒色色素のメラニンの生成を抑える働きや、肌のターンオーバー(新陳代謝)を促す作用もありますので、肌の色素沈着(シミやソバカス)を防ぎたいかたにもおすすめの非必須アミノ酸です。
3.マカに含まれていない非必須アミノ酸
マカに含まれていない二種類の非必須アミノ酸についてもチェックしてみましょう。
- ・グルタミン(グルタミン酸とは別モノ)
- ・アスパラギン(アスパラギン酸とは別モノ)
3-1.グルタミン
- ・筋肉の強化
- ・胃腸の粘膜の保護
- ・疲労回復
- ・免疫力の強化
- ・傷の治りを早める
筋肉内に豊富に存在し、グルタミン酸とアンモニアから作られます。
ストレスなどで不足することもあるので「準必須アミノ酸」とも呼ばれています。
グルタミンは血漿(けっしょう。
淡黄色の液体。
血液成分の55%を占める)のなかにもっとも多いアミノ酸です。
胃腸の粘膜にある細胞の合成を促進し、腸から細菌が侵入するのを予防する働きも持ちます。
またリンパ球など免疫細胞のエネルギー源ともなっています。
3-2.アスパラギン
- ・持久力(体力)の向上
- ・肝臓を守る作用
- ・エネルギーの生産を助ける
アスパラギンは世界ではじめて発見されたアミノ酸で、アスパラガスの芽から発見されました。
非必須アミノ酸のアスパラギン酸(名前は似ているが異なる)やアンモニアなどから生成されます。
疲労物質でもあるアンモニアを無毒化する作用を持つので、スポーツをやっているかたにも勧めたいアミノ酸です。
3-3.グルタミンとアスパラギンを補うには?
マカに含まれていないグルタミンとアスパラギン。
ほかの食品で補うことで、非必須アミノ酸をすべて摂ることができます。
グルタミンやアスパラギンは、
- ・肉
- ・魚
- ・卵
- ・大豆
- ・牛乳
といった食品に豊富に含まれています。
これらの食品は加熱せずに生で食べることによって、熱に弱いグルタミンやアスパラギンの変性を防ぐことができます。
刺し身を食べたり卵かけご飯を食べたりすることで、これらのアミノ酸を効果的に摂取できます。
しかしこれらの食品は、どれも普段の食事から摂れるものですので、マカを摂る時は、グルタミンやアスパラギンの摂取不足を気にする必要はありません。
4.アミノ酸の効果を高める成分
マカにはアミノ酸の効果を高めるビタミン類が含まれています。
ビタミンB6、ビタミンC…体内でアミノ酸が細胞を作り出すのを助ける。
アミノ酸が酵素やホルモンの材料になり活躍するのをサポートする。
ビタミンE…末梢血管の血流を促し、アミノ酸が全身にいき渡るのを助ける。
これら3つのビタミン類も、マカを飲むことで手軽に補給できます。
5.まとめ
マカには11種類ある非必須アミノ酸のうち9種類が含まれています。
含まれていないグルタミンとアスパラギンは、
- ・肉
- ・魚
- ・卵
- ・大豆
- ・牛乳
などを普段の食事から摂ることで補うことができますので、不足の心配はありません。
また生でこれらの成分を摂ると、より効率的です。
さらにマカにはアミノ酸の働きを助ける成分、
- ・ビタミンB6
- ・ビタミンC
- ・ビタミンE
が含まれています。
- ・毎日のバランスの良い食事
- ・マカ
この二つで、非必須アミノ酸はバッチリです。
ほかのサプリメントに頼る必要はありません。
しかもマカにはアミノ酸に関わる成分だけでなく、
- ・精力アップ
- ・うつ病の改善
- ・女性が妊娠しやすくなる
など、アミノ酸の力だけでは得ることができないような効果も期待できるのです。
ぜひこの機会に、マカの実力を体感してみましょう。