マカが肝臓を救う。ウコンやシジミは肝障害の原因に
マカには肝臓の機能を向上させる効果や、脂肪肝を予防する効果などが期待できます。
「アルコールをよく飲む」「メタボが気になる」「最近運動不足だ」というかたは、マカを摂ることで肝臓をダメージから守ることができるのです。
1.現代人は肝臓の不調を抱えている
「沈黙の臓器」と言われている肝臓。
肝臓は少しくらいのダメージを受けても黙々と働き続けてくれるので、ついつい酷使してしまいがち。
- ・解毒作用
- ・エネルギーを蓄える作用
- ・代謝作用
- ・胆汁を作る作用
など、肝臓にはさまざまな働きがあり、健康維持のためには非常に重要な臓器です。
しかし現代人は肝臓に良くない習慣を数多く持ち、
- ・偏った食生活
- ・過度のストレス
などは肝臓に大きなダメージを与えます。
ダメージが蓄積すると、肝炎や脂肪肝など、さまざまな疾患を引き起こす原因になってしまうのです。
1-1.肝炎
肝炎とは、その名のとおり肝臓が炎症を起こすことを言います。
- ・アルコール
- ・ウィルス
- ・薬剤
- ・自己免疫
などの原因により、肝炎が引き起こされます。
アルコールは長期間にわたり多くの量を飲み続けると、肝炎を引き起こします。
ウィルスが原因の肝炎は、食べ物や輸血、性行為などを介して感染します。
日本人で肝炎になる約80%のかたがウイルス性の肝炎です。
また服用した薬剤で肝炎に感染するかたも。
さらに自己免疫の異常によっても、肝炎が引き起こされることがあります。
これは女性に多く、特に更年期の女性は注意が必要です。
肝炎にかかると、
- ・食欲不振
- ・吐き気
- ・発熱
- ・倦怠感
- ・黄疸(おうだん)
といった症状が出ます。
またこれらの症状がでる数日前から褐色の尿が見られますので、肝炎の心配があるかたはチェックしてみると良いでしょう。
肝炎が慢性化すると肝硬変(肝臓が固くなる)になる恐れもあるので、早期の治療が必要です。
1-1-1.肝炎を改善させるには
肝炎を治すには、まずは安静が第一です。
ただし、B型肝炎やC型肝炎は慢性化することがありますので、症状によっては治療に薬を使う場合もあります。
肝炎の症状が疑われるかたは、まずは医師の診断を受けるようにしましょう。
1-1-2.肝炎の予防法は?
肝炎を予防するためには、アルコールや偏った食生活、運動不足などを解消し、弱った肝臓の機能を高めることが大切です。
- ・アルコールを控える
- ・タバコを控える
- ・ご飯などの炭水化物を減らす
- ・果物(果糖)を摂りすぎない
- ・運動などで肥満を解消する
これらの項目に気をつけることで、肝炎を防ぐことができます。
一般的に「体に良い」「肥満に効く」と言われているような習慣が、肝炎を遠ざけます。
1-1-3.マカで肝炎を予防する
さらにマカを摂ることで、肝炎の予防効果が期待できます。
詳しいことは記事の後半でご紹介しますが、マカには肝臓を酸化ストレスから守ってくれたり、肝臓の機能を向上させたりする効果があることが分かっています。
1-2.脂肪肝
脂肪肝とは、肝臓の中性脂肪の量が30%以上(通常は10%程度)になる症状のことを言います。
日本人の四人に一人が脂肪肝だと言われています。
脂肪や糖の摂り過ぎ、運動不足などで肝臓に中性脂肪が溜まり、肝臓が太ってしまうのが脂肪肝。
またアルコールを摂取すると、体内でアルコールを分解する際に中性脂肪が作られやすくなることも分かっています。
脂肪肝の状態を放置してしまうと、余分な脂肪が血中に流れ出し、狭心症を引き起こす可能性があります。
さらに脂肪肝を放置して重症化すると、心筋梗塞や肝硬変、肝臓ガンを引き起こす恐れもあります。
脂肪肝はなかなか気づきにくい症状ですが、脂肪肝は血行不良を引き起こすので、肩こりや倦怠感がサインになっている場合も。
健康診断で肝機能の度合いを表すALT(GTP)の値が20(IU/L)以上なら、脂肪肝への注意が必要です。
1-2-1.脂肪肝を改善させるには
脂肪肝を改善させるためには、
- ・運動
- ・禁酒
- ・食事制限
などをおこなうことが必要です。
しかし言葉で言うのは簡単ですが、これらの予防策を一度に実践するのには、かなりの努力が必要です。
仕事や勉強が忙しい方は、なかなか運動などの時間が取れない場合もありますので、これら以外での解決策についても検討しておく必要があるのです。
そこでおすすめしたいのが「マカ」。
マカは精力剤に入っている成分として有名ですが、実は肝臓への効果も期待されている食品なのです。
2.肝臓に効くマカの効能
マカには、以下のような効果が期待できます。
- ・肝臓を酸化ストレスから守る
- ・肝機能を高める
- ・二日酔いを予防し肝臓を助ける
それではこれらの効果について、どんな成分によって、どんな仕組みで改善されるのか、詳しく見ていきたいと思います。
2-1.マカのアントシアニンは肝臓に効く
アントシアニンはマカやブルーベリーなどに含まれ、「目に良い」と言われる成分です。
でも実はこの成分、肝臓の健康のためにも良いということが分かっています。
アントシアニンは抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。
2012年に発表された論文では、ラットを使った実験により、「アントシアニンには肝臓を酸化ストレスから守る効果がある」ということが分かっています。
(Thoppil RJ, Bhatia D, Barnes KF, Haznagy-Radnai E, Hohmann J, Darvesh AS, Bishayee A.「Black currant anthocyanins abrogate oxidative stress through Nrf2- mediated antioxidant mechanisms in a rat model of hepatocellular carcinoma.」)
肝臓の健康が気になるかたは、積極的にマカを摂って、アントシアニンを補給しましょう。
2-2.肝臓の働きを高めるビタミンC
アルコールを摂ると、肝臓で分解する際に「アセトアルデヒド」という物質が発生します。
アセトアルデヒドは二日酔いを引き起こす張本人で、毒性が強く、吐き気や頭痛、動悸などを引き起こします。
このアセトアルデヒドを肝臓で分解する際に、肝臓に負担がかかるのは言うまでもありません。
しかも近年の調査では、日本人にはアルコールに弱い体質のかたが多いということも判明しています。
ビタミンCには、このアセトアルデヒドの分解を促進する働きがあるので、肝臓の負担を減らすことができるのです。
ちなみにビタミンCには二日酔いを引き起こすと言われている「フーゼル油」の分解も促進します。
フーゼル油とはお酒に添加されている風味付けの成分で、本格焼酎やウイスキー、ワインなどにも入っています。
よって、お酒を飲む機会のあるかたは、ビタミンCを意識して摂りましょう。
マカにはビタミンCが含まれていますので、飲酒の習慣があるかたは、積極的にマカを摂ることで肝臓への影響を最小限に抑えることができます。
2-3.マカのビタミンB群で肝機能をアップ
マカに含まれるビタミンB群(B1、B2、B6、B12)は、肝機能をアップさせる作用を持ちます。
実際に、アルコール性肝炎や脂肪肝の治療の際にはビタミンB群が使われています。
ビタミンB群が不足すると、
- ・肝機能低下による代謝障害
- ・アルコールによる肝機能障害
といった症状が起こりやすくなります。
しかもアルコールを摂り過ぎると腸の粘膜が荒れ、ビタミンB群の吸収率が落ちてしまい、さらに肝機能障害が起きやすくなってしまうのです。
2-4.リジンは肝機能を正常化する
マカに含まれているリジン(アミノ酸の一種)には、肝機能を高める効果があります。
リジンは脂肪を消化する酵素である「リパーゼ」の働きを促進するので、脂肪酸(中性脂肪が分解されたもの)の分解が適切に行われやすくなります。
しかもリジンにより肝臓の機能がアップするとホルモンの生産が促進されるので、受精率が上がるというオマケつき。
2-5.肝疾患になると亜鉛が不足しやすい
肝疾患を引き起こすと、体内の亜鉛が不足しやすくなります。
それは、肝疾患になると亜鉛の尿中排泄が増加するのが大きな理由です。
また、肝硬変になると腸管から亜鉛を吸収する力が落ちることも分かっています。
しかも亜鉛不足は窒素代謝異常を起こし、高アンモニア血症や肝性脳症などの原因に。
肝臓の線維化(進行すると肝硬変になる)との関係も示唆されているので、肝臓に不調をお持ちの方は、マカなどの亜鉛を含んだ食品を積極的に摂る必要があるのです。
(参考:低亜鉛.jp 「肝臓と低亜鉛血症:エキスパートに聞くQ&A」)
3.マカ、ウコン、シジミ。
この中で最も肝臓によいのは?
「肝臓に効く」と有名な食品が、ウコンやシジミ。
しかし現在、これら二つの食品が肝臓に悪影響を及ぼしているのでは、という意見が増えてきています。
ウコンは「肝臓に良い」と言われていますが、この説には疑問が残ります。
肝臓学会の調査によれば、健康食品によって肝臓障害を引き起こした人の中で、「ウコンが原因」という方が一番多かったのです。
ウコンに含まれる「クルクミン」という成分にアルコールを代謝する効果があるということは、ハウスウェルネスフーズのウコン研究所などの実験で確認されています。
しかし肝機能の数値が悪い人がウコンを飲むと、肝障害が悪化する恐れがあるのです。
肝臓の調子が悪い人にとっては、ウコンはプラス面よりもマイナス面のほうが多いということです。
”体内の鉄分が多くなってくると、肝臓の中に余剰となった鉄分が蓄積されます。すると活性酸素というタチの悪い酸素ができやすくなる。
活性酸素は大気中に含まれる酸素に比べ、反応性が高く、周囲の細胞(DNA)を傷つけます。
こうなると肝臓の働きがますます悪くなり、肝臓に沈着した脂肪が活性酸素に刺激され脂肪肝炎を引き起こし、肝硬変や肝がんの原因になりかねないんです。”
(週刊現代 「日本人が実践する健康法の「大ウソ」このままでは寿命が縮みます!」 帝京大学ちば総合医療センター 消化器内科 小尾俊太郎医師)
このように、ウコンには「鉄分の摂り過ぎ」という心配があるのです。
またシジミにも鉄分が多く含まれていますので、シジミにも同じことが言えます。
マカにも鉄分が含まれていますが、ウコンやシジミに比べると少量で、健康に影響が出るほどではありません。
以下の表を見てください。
食品 | 鉄分含有量(mg) |
---|---|
マカ粉末一日分 3g | 0.21 |
シジミの味噌汁一杯(シジミの可食部15g) | 0.8 |
ウコン粉末一日分 3g | 1.65 |
やはりシジミとウコンの鉄分含有量は多いですね。
シジミはマカの4倍近く、ウコンは8倍近く鉄分が入っています。
女性の貧血対策とした場合なら、どの成分を摂っても鉄分補給になりそうですが、肝臓のことを考えるとマカの粉末一択になります。
厚生労働省の発表による鉄分の推奨摂取量は男性で7.0~7.5mg、女性で8.5~9.0mgほどですので、マカによる鉄分の過剰摂取の心配はまずないでしょう。
鉄分は貧血ぎみの女性などは意識して摂りたい成分ですが、肝臓に不安があるかたはウコンやシジミを摂ることは控えたほうが良さそうですね。
現代のように栄養過多の時代には、シジミやウコンは時代遅れになりつつあるのかもしれません。
4.マカは肝臓に良い成分が一度に摂れる
さて、肝臓について色々と見てきました。
現代人は肝炎や脂肪肝など、常に肝臓疾患へのリスクを抱えています。
しかしマカに含まれるアントシアニンやビタミンC、ビタミンB群、リジン、亜鉛の作用によって、肝臓疾患を予防する効果が期待できるのです。
ウコンやシジミも肝臓に良いと言われていますが、鉄分の含有量が多いために、逆に肝臓疾患を引き起こす恐れがあります。
マカを摂ることによって肝臓疾患を効果的に防ぎ、健康でイキイキした毎日を送りましょう。